オーストラリア、パース
宿泊施設の中には、ひとつの部屋に大勢の人が泊まれるようにしてあるものがある。ベッドがいくつも置いてあるこの部屋はドミトリーと呼ばれているものだ。いつかは泊まることになるだろうとは思っていたのだが、旅を始めて2日目でドミトリーに泊まることになった。
前日にお願いしておいたのはツインの部屋なのだが、宿の主人は、来ないかと思ったというはやまった自分勝手な理由で、他の宿泊客を入れてしまったらしい。今から他の宿を探すのは困難なので、仕方なくこのドミトリーに泊まることにした。もちろん宿泊料金は割引にしていただいた。
部屋に入ると左右に二段ベッドがあり、左側奥の窓際にはシングルベッドがひとつ置いてある。この部屋は5人部屋のドミトリー。さっちゃんとじゅんちゃんの他に、ハリーおじさんが同室となった。ハリーおじさんは、中国系のシンガポール人。
ハリーおじさんは、少し私達と話をして、日本人だとわかると、中国語が書かれた紙を指差し「この文字がわかるか?」と言ってきたり、部屋のドアがうまく閉まらないと、隙間に紙を挟んで閉じると良いと教えてくれたりする。こういう普段では会えないような方と出会えるのも、ドミトリーの面白いところなのかも知れない。だが、まだそういう気持ちにはなれそうにはない。
目の前にあるクラブからは、大音響で音楽が聞こえてくる。若者達は行列をつくり週末の夜を満喫している。中にはサンタクロースのコスチュームを着たグループもいるのだが、クリスマスまではまだ1ヶ月以上もある。まずは、宿から少し離れたあまり混んでいないクラブに行ってみることにした。

3/69