旅立ち編

オーストラリア、エアーズロック

聖地ウルル

朝日に赤く染まるウルルの岩陰には、静寂が流れている。太陽が昇っても日陰になっていて、涼しく清々しい。乾燥した平らな大地に突如現れる大きな岩の塊は、本来大地に埋まっているべきものが、飛び出してしまったかのよう。まるで異世界のものを見ているような錯覚に陥る。

ここは、アボリジニの聖地。エアーズロックとも呼ばれるこの大きな一枚岩のために、私たちはここに訪れた。オーストラリアのほぼ中央、ノーザンテリトリーにウルルは存在する。

エアーズロック空港に到着すると、むせかえるような暑さが待ち構えていた。アウトバックと呼ばれるオーストラリアの荒涼とした大地が広がっている。

予約しておいたエアーズロックリゾートからの送迎バスに乗り、ロッジに到着する。ウルル一帯は国立公園になっており、ここでの宿泊施設はエアーズロックリゾートに限られている。

この施設内からウルルへの送迎車を申し込み、その車に乗り込んでアウトバックの中を走る。車窓から見えるウルルは見る角度によって形が全く異なっている。その表面はなだらかなところもあれば、風の浸食により削られた細かいくぼみが、動物のように見えるところもある。

朝日が昇る前のウルルは、昼間の暑さとは違い涼しく過ごしやすい。太陽が昇り始めるとうっすらと赤みが増し、その姿が浮かび上がる。太陽が昇ると気温はどんどん上がり、暑いアウトバックが戻ってくる。

追い払っても追い払ってもハエが顔にまとわりつく。少しの水分を求めて何匹ものハエが顔にまとわりつく。顔に手ぬぐいをまき、アラブの民のような格好でウルルの周りを歩く。

ウルルの岩陰に入ると突然静寂が訪れる。静かな空間ではハエの来襲も少なくなり、高原のような清々しさを感じる。

ウルルは、世界で二番目に大きな一枚岩、世界で一番大きい一枚岩は、同じくオーストラリアにあるマウントオーガスタ。ウルルは、地殻変動と侵食を経て約7,000万年前に現在の形になったと言われている。

ここはアボリジニの聖地、人々が聖地に登ることを、アボリジニの人々はこころよく思ってはいない。私たちはウルルに登らず、この地を後にすることにした。

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ホラティウス

最終更新日 : 2007-07-13サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.