旅立ち編

アルゼンチン、ブエノスアイレス

日本書籍

外国を長く旅すると日本語が恋しくなってくるものだ。普段あまり本を読まない自分にとっても、日本語の本というものを読みたいと思ってしまう。人間にとって、文章から得る知識というものがとても多いものだろう。知りたい情報を本から得られないことが、何か満たされない想いとなって、本を読みたい衝動に駆られる。しかし、外国では日本語の本を手に入れることが難しいのが実情だ。

ブエノスアイレスぐらい大きな町ならば、日本語の本を少しぐらいは手に入れられるのではないのだろうか。そう思って私達はどこかで日本語の本が売っていないものかといくつかの心当たりを尋ね歩いた。そして教えてもらった日本書籍というお店を訪ねることにした。

日本書籍はこじんまりとしたお店で、少し古めの本が置いてある。ひとりでお店を営んでいるおばあちゃんは、第二次世界大戦後すぐにブエノスアイレスに移民してから、ずっとブエノスアイレスに住んでいるとのことだ。しかし、近頃は文庫本を読む人が減ったとのことで、もうお店を閉める予定とのこと。こんなに良い本を置いているのに…時代の流れと言ってしまうには少し寂しい気がする。そんなお話をしばらくしてから何冊かの本を買って帰ろうとすると、おばあちゃんは本を一冊おまけしてくれた上に、納豆をお土産に持たせてくれた。久しぶりの日本の味は、その日のうちに納豆ご飯にしていただいた。それは心に染みる味だった。ありがとうおばあちゃん。

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ホラティウス

最終更新日 : 2007-07-13サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.