アルゼンチン、ブエノスアイレス
ブエノスアイレスには、おしゃれな外観のカフェやバーが数多くある。特にラ・プラタ川は、古き良き時代を感じさせる運河になっていて哀愁が漂う。こんな場所では普段入らないようなカフェにでも行ってみようかという気持ちにさせる。
ラ・プラタ川沿いのカフェに入り、オープンテラスに座る。そして昼間からカクテルを注文。私はマティーニを飲むことにした。休日の昼間から飲むお酒の定番であるビールを注文しなかったのには訳がある。なぜならアルゼンチンのビールは気が抜けていて美味しくないのだ。
アルゼンチンのビールは全てビンビールなのだが、このビンの栓が完全に密閉されない構造なのが原因だろう。何度か飲むうちに自主的にビールを飲むのをやめた。それにカクテルを飲むことのできる機会は意外に少ない、今日はマティーニで贅沢な気分に浸ることにしたのだ。
ウェイターがマティーニを持って奥からやってきた。私のマティーニだ。ウェイターが目の前のテーブルにマティーニを置く前から少しこぼす。そしてテーブルに置く時に少し強い風が吹くと、ウェイター君はまたこぼした。そんなそそうを繰り返したウェイター君は一言も発することなく奥に引っ込んでいった。
少し寂しい気持ちを抱きながらも大きなカクテルグラスに作られたマティーニは、豪華な感じがしてうれしい。そしてひと口飲んでみた。
「ん?」
何かがおかしい。オリーブの匂いが強いぞ、そしてどんどんオリーブの匂いが強くなっていく。これはオリーブを洗わずにカクテルの中に入れているのだろう。ここのバーテンダーは自分で作ったカクテルを飲んだことがないらしい。
見た目は豪華で素晴らしいのだが…。結局私は贅沢な気分に浸ることはできず、このカフェを後にした。
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