旅立ち編

アルゼンチン、ブエノスアイレス

ミロンガ

ブエノスアイレスでは、タンゴはショーだけでなくみんなが踊るものでもある。そしてみんなが踊る場所はミロンガと呼ばれる場所だ。ブエノスアイレスでは、毎晩どこかのミロンガが開かれており、踊ろうと思えば毎日踊りに行くことができる。今回は、私達にタンゴを教えてくれている平井先生ご夫妻に、ミロンガへ連れてっていただいた。

ミロンガではまずは入場料を支払い席に着く。そして踊りたい時に踊るというスタイルになっている。そして、このミロンガでは、タンゴ、ワルツ、ミロンガという三種類の音楽が流れる。それぞれ四拍子、三拍子、二拍子という音楽になっているのだが、この音楽に合わせて踊るのは、全てタンゴになるのだ。ちょっとややこしいが、タンゴが上手くなると三拍子でも二拍子でも踊ることができるということであり、当然初心者の私達はタンゴの音楽でしか踊ることができない。

ミロンガでの音楽の流れ方には特徴があり、四曲毎に音楽の種類が変わる。一度タンゴが流れ始めたら、その後も三曲続けてタンゴが流れることになるのだ。そして面白い暗黙のルールがある。みんな音楽が流れ始めてもしばらくは踊らないのだ。まずは踊る場所で立ったまま踊るパートナーと会話を楽しみ、一分程経った後にようやく踊り始める。どうしてかと言うと、ミロンガでは男性が目配せで女性を踊りに誘う。そして女性は踊ることがOKならばうなずいて踊る場所に向かう。そして、ひとつの音楽が終わり、ひとまず踊り終わった後に会話を楽しむ。その会話を次の音楽が始まってもしばらく続けるのがミロンガでの暗黙のルールなのだ。

しばらくはミロンガでみんなが踊る風景を眺めていたが、せっかく来たからには踊るしかない。先に踊っている平井先生ご夫妻の姿は素敵だ。そして私達にはこの為に買ったタンゴシューズもある。私達はミロンガデビューすることになった。勿論、ゆっくり流れるタンゴの音楽の時を見計らってみんなが踊っているスペースに向かう。特に話すことはなかったのだが、とりあえず誘った感を出す為に、どこから来たのかを聞いてみた。答えは日本。そりゃあ当たり前だ。そうこうしている間にみんなが踊り始めたので、私達も踊り始める。実際に踊ってみると狭いスペースで踊るのには技術がいる。

ミロンガのルールでは半時計周りに大きく周りながら進むのだが、その流れは一定ではないので、自分の踊りの動きだけでなく、周りの動きを感じ取りながら踊る必要があるのだ。私は比較的流れの安定しているところでひたすら基本の動きを繰り返す。はたから見ると素人丸出しなのだろうが、これが意外と楽しい。

一度ミロンガデビューを済ますと、後は自分の踊れる音楽が来るのを待ち、踊れる音楽が流れると踊りに行くことになった。とても敷居が高そうに見えるアルゼンチンタンゴだが、少なくともミロンガで踊ることに関しては、誰でも気軽に楽しめるものだ。

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ホラティウス

最終更新日 : 2007-07-13サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.