アルゼンチン、ブエノスアイレス
世界中のあらゆる場所にドワーフ、妖精は存在する。それは一見人間の姿をしているのだが、実は優しさの国から来たドワーフなのだ。彼らは大体老人の姿をしていて背は低い。そしてとても優しい心を持っている。しかし決して正体を明かさない。
オーストラリアでは、バスの車内で大きな荷物を持ちながら別々の席に座ることになった私達を、言葉少なげに「こっちに来なさい」手招きし、同じ席になるように席を譲ってくれたおじいさんの姿をしたドワーフ。その他色々なところで私達にその優しさを分けてくれたドワーフ達。そしてここブエノスアイレスにもドワーフがいたのだ。
彼は宿の傍で数日に一度、何気なく立っている老人の姿をしていた。いつもドワーフ達にはとても優しくしていただいていたので、今回は私達の方から声をかけてみることにした。
「ブエナスタルデス!」スペイン語でこんにちはという意味の挨拶をすると、ドワーフはとてもしゃがれた小さな声で「ブエナスタルデス」と返してくれた。正体を見破ってしまったことを悟られてしまうと、きっと姿を消してしまうだろう。今回は軽い挨拶だけに留めておくことにした。またどこかでお会いしましょうドワーフさん。
67/69