人と大地の躍動編

ブラジル、サンパウロ

エスコーラ・ジ・サンバ

ブラジルにはエスコーラ・ジ・サンバと呼ばれるサンバ学校というものがある。言葉だけを聞くと、日本でいう習い事や塾のようなものを思い浮かべるが、内容は全く違う。どういうものかというと地元の知っている顔だけが集まってサンバを楽しむ地域コミュニティーのようなもので、エスコーラ・ジ・サンバは、普通観光客が遊びに行けるようなところではないのだ

同じ宿に泊まっていてお兄さんのような存在のシュウさんにエスコーラ・ジ・サンバを見学したい旨をお話しすると、心当たりのあるエスコーラに連絡をしてくれるとのこと、私達はそのご好意に甘えることにした。しかし、カーニバルが終わったばかりのこの時期、エスコーラ・ジ・サンバ自体を開いているところが少ないので、難しいかも知れないとのことだった。

数日後、シュウさんがいきなり私に握手を求めてきた。一瞬意味がわからなかったのだが、シュウさんの言葉を聞いて私はびっくりした。いくつか連絡を取った中で、ひとつだけエスコーラ・ジ・サンバを開くところがあるという。半分諦めていたのだが、いきなりの急展開、エスコーラ・ジ・サンバへ連れて行ってもらうことになった。

地下鉄でエスコーラ・ジ・サンバをやっている地域の駅に着き、そこからしばらく歩く。さすがのシュウさんも初めて行くエスコーラ・ジ・サンバとのことで、道中、何度も人に確認しながら歩き、辿り着くことができた。

エスコーラ・ジ・サンバの会場に入ると、大音響で打楽器が打ち鳴らされ、ボーカルのおばちゃんはステージの上から歌を歌う。その声は力強くバテリアの打楽器音に負けない。真ん中には指揮者のような人がいて、バテリアの調和を巧みにとっていた。こんなに近くでバテリアを聞くことはまずない。大迫力のリズムに合わせてサンバステップを楽しむ人たちがちらほらといた。その踊りはとても簡単に踊っているように見えるのだが、全く真似ができない。普通はエスコーラ・ジ・サンバの中に入ることすら大変だということだが、今回はカーニバル後ということもあり、逆に落ち着いてエスコーラ・ジ・サンバの実情と至近距離でのバテリアを楽しむことが出来た。

練習が終了すると、シュウさんがボーカルの方にお願いしてくれて一緒に写真も撮ることまでできた。大満足のエスコーラ・ジ・サンバ見学が終わると、すぐに宿に引き返すことになる。サンパウロの夜は危険だからだ。実際に危険な目には遭わなかったのだが、それでも行きの時にはいなかった貧困層の人が駅周辺でたむろしているのが見えたので、私達はその人と目を合わせないように早足で通り抜けた。

そうして、何事もなく宿に着き大満足のエスコーラ・ジ・サンバ見学を無事終えることができた。ありがとうシュウさん。

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真実は小説より奇なり。

マーク・トウェイン

最終更新日 : 2007-08-04サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.