人と大地の躍動編

ペルー、クスコ

高山病

クスコの中心街であるアルマス広場付近に着くと、タクシーの運転手は、ここから先はタクシーでは行けないので歩いて行ってくれと言う。確かに見ると細い道でタクシーは入れそうにない。

仕方なく大きな荷物を抱え歩き出すと道沿いにいる旅行会社のスタッフがペンション八幡まで送りがてら、荷物を持ってあげると話し掛けてくる。ちょっと面倒に感じたので案内はしてもらったのだが、荷物は自分で持つことにした

ペンション八幡までの道を一緒に歩き出すと、これが地図ではわからないような上り坂。この坂と酸素の薄さにぜいぜい言いながら歩き、荷物を持ってもらわなかったことを少しだけ後悔しながらペンション八幡に到着した。

ペンション八幡は予約なしで訪れたのだが、運良くベッドを確保することができた。もともとここでは予約という方式を取っておらず、先に泊まっている人が優先で料金を前日夜までに支払っておけば、好きなだけ泊まることができるという仕組み。つまり訪れた時にベッドが空いていれば泊まることができるという方式なのだ。世界各国にある日本人宿の多くはこの方式を取り入れているらしい。

このペンション八幡のオーナーである八幡さんは、とても心の大きな人だ。はっきりと物を言う姿勢とその言葉はとても面白い。ある宿泊客が八幡さんにもう一日延泊可能かどうかを尋ねると、八幡さんは「一年でも二年でも好きなだけいるがいい」とのこと。そのスケールの大きな言葉に度肝を抜かれた。

クスコに着いて三日目、なんとなく痛かった頭が本格的に痛くなり始めた。ついに来たか高山病。気持ち悪さを伴う頭の痛みは以前感じたことがある。

酸素の少ない地下数十メートルにいて、地上に戻ってきた時に感じた痛みと同じで、脳に酸素が足りていない状態が長く続いた後に、脳の酸素を正常な状態に戻そうとする痛みだ。その強烈な痛みにコカ茶やコカキャンディーを口にしながら数時間程悩まされた。

深呼吸を繰り返しながらその痛みに耐えていると、いつの間にか眠りにつき、起きた時にはすっかり良くなった。終わってみれば、なんてことはないのだが、その時は死ぬかと思った。

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真実は小説より奇なり。

マーク・トウェイン

最終更新日 : 2007-08-28サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.