人と大地の躍動編

ペルー、クスコ

インカの都

クスコの標高は高い。そんなクスコの空を見上げると、地面からほど近いところに雲が浮かび、低い空が広がる。太陽の光は薄い空気の為か、地表の色を鮮やかに照らし、その上を通る雲は、鳥が飛ぶように早い。

ここは昔、インカ帝国の首都として栄えた都市で、その全貌はピューマの形を模して造られている。インカ帝国とはインカ帝国を滅ぼしたスペイン人がつけた名前で、この地ではインカ帝国のことを四つの都市を意味するタワンティンスーユと呼ばれていた。

各都市は、今はインカ道と呼ばれる道をチャスキと呼ばれた飛脚が伝令係となるネットワークで結ばれ、その情報は首都のクスコに届けられるようになっていた。インカ道は石畳の道で今もその名残を残し、クスコの街並みを形成している。

クスコには精巧な石組みで造られた建物の名残も多く残っている。侵略したスペイン人達はインカの街を破壊し、その上で自分達の都市を作り上げたのだが、頑強に造られた石組みは破壊を免れて、建物の土台となって残されていた。

カミソリの刃一枚通さぬと評されるその石組みは当時、鉄を持っていなかったインカの人々が造りあげるには、途方もない時間と労力が費やされただろう。その仕事をやり遂げるだけの情熱に思いを馳せた。これは芸術作品と呼んでいいものだ。

インカ帝国最後の皇帝アタワルパが処刑され、インカ帝国は滅亡したが、インカの血を継ぐケチュアの人々とその芸術品は今も生き続けている。

← ひとつ前に戻る

28/65

次のページを読む →

真実は小説より奇なり。

マーク・トウェイン

最終更新日 : 2007-08-28サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.