人と大地の躍動編

ボリビア、ティワナク

プーノへ

国境で心配していた同日のペルー再入国も問題なくでき、プーノ行きのバスを道行く人に尋ねながら探し出すと乗り込んだ。あたりはもう真っ暗だ。街灯もほんの少ししかなく本当に暗い。慌しく過ごしていたため朝から何も食べていないことを思い出したが、今更バスを降りて食べ物を探すのも大変なのでやめた。

しばらくするとバスは満席になり出発した。そして前の席に座っていた子供が早速東洋人の私に興味をもったらしい。前の席からじっと見ているので声をかけたのだがまったく無表情。

こんな時の為に買っておいた秘密兵器を登場させることにした。プーノで買ったジャガーの指人形だ。早速指にはめて大きい方の女の子に話し掛ける。「僕はジャガー、君の名前はな〜に?」

女の子は相変わらず返事をしてくれないのだが、ジャガーには興味を示しそのうち指人形を握りしめて離さなくなった。女の子の年は2〜3歳位で少しは言葉を話しても良さそう。実際お母さんとは少し言葉を交わしているのだが、私には全く返事をしてくれないので歌を歌うことにした。

バスの中は、エンジンの音や窓から入り込む風の音で結構うるさい。そのうるさい音に紛れてジャガーが歌っているように歌を歌い始めると、女の子はジャガーを握りしめたままうとうとと眠りはじめた。前の席からジャガーを掴んでいるため、席の上で逆向きに立っているような態勢のままうとうととしている。眠たいのであれば席にきちんと座って眠ればいいのに、この子はいつまでもジャガーを離そうとしない。結局プーノまでの約2時間ずっとジャガーを握りしめていた。

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真実は小説より奇なり。

マーク・トウェイン

最終更新日 : 2007-12-17サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.