出会いそして別れ編

メキシコ、メキシコシティー

ルイス・バラガン

「ルイス・バラガン邸見学を予約した者ですが…」

扉の窓から話し掛けると中の人が出てきて隣の扉のインターフォンを押してまた帰っていった。どうやらいきなり家を間違えたらしい。

ルイス・バラガンとはメキシコの建築家。その建築物は色や光の取り入れ方、そして空間の創り方において高い評価を受けていて日本でも名が知られている。そんなルイス・バラガン自身が設計し生活をしていたルイス・バラガン邸は世界遺産に登録されたのだが、その外観はそんな由緒ある建物とは思えないぐらいに質素で、隣の家と間違えてしまうぐらいだ。

中に入れてもらいボランティアのチャックさんに案内していただくことになった。

入り口の奥にもうひとつ扉があり、そこの中から建物の中に入る。扉を開けると太陽が射し込み、扉奥の壁に塗られたピンク色が手前の壁に溶け込んでくる。扉の奥は一面淡いピンク色だ。階段を上り左側の部屋はゲスト用の部屋がある。右側には屋上があり高い壁に囲まれた静かな空間が広がっている。

階段を下りて居間に行くと、そこにはとても落ち着いた空間が広がっている。一面ガラスになっている先には木々の多い茂る庭がある。外の光が優しく入る。光が射し込む先には書斎があり仕事場としてのルイス・バラガン邸がある。壁一面に作られた本棚には様々な本がある。書斎にある階段は手すりも支柱もなく、横から見ると壁に板が縦横につきささっているように作られている。書斎を出て奥の部屋に行くととても広い空間が現れる。屋根が棒で開けられるようになっており太陽の光を入れられるように工夫されている。そしてその部屋を抜けると建物の入り口に戻ってきた。

とても面白い建物だと思った。建築だけでなくデザインというものに携わるものであれば、一度は見ておく価値のあるものだと思う。

一般的に考えられている機能というものへの疑問と実験的工夫。そして太陽の光と空間が及ぼす色の変化をそこにいる人が感じられるようにしている創意が包括的にデザインされていた。

その後、近くにあるヒラルディ邸も見学。今日はルイス・バラガン三昧な一日だ。

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自由主義者のことば

最終更新日 : 2008-02-10サイトマップ連絡先 | © 2006 Travel Around the World in 18 Months.