ヴァチカン
大聖堂の中は、柱の隅々まで彫刻が施されている。柱から壁に至るまでは天使や聖者が並び、回廊のあちこちにある祭壇には宗教画や彫刻された使徒達が並んでいる。
ここは、サン・ピエトロ大聖堂。バチカン市国にあるサン・ピエトロ(聖ペトロ)の埋葬地を覆うように計画され建設された教会だ。ラファエロやミケランジェロといった著名な主任建築家を迎え、完成されたこの教会は、キリスト教の教会建築としては、世界最大級を誇る。
彫刻に近づいてみると、ローブのような布をまとった聖人達は、その布のたわみまでが緻密に彫られていて、その彫刻家が命を吹き込む為の情熱が感じられる。しかもそれらの彫刻は、数え切れないほどの数が飾られている。
回廊の梁や天井には、全面に細かい装飾が施され、外からの明かりを取り入れる採光窓がいたるところにあり、大聖堂の中は明るい。巨大な天窓の下には主祭壇があり、その下にはサン・ピエトロ(聖ペトロ)が埋葬されていると言われている。
ミケランジェロのピエタには、大勢の人が集まってその彫刻を眺めている。ガラスで厳重に囲まれた中、細かく掘り込まれたその彫刻は、メドゥーサによって石に変えられてしまったように繊細だ。それは彫刻したものとは到底思えない。
カトリック教会の総本山であり、世界遺産にも登録されているこの大聖堂は、想像もできないほどの労力や情熱によって現在の形になったのであったのであろう。
その情熱が心を揺さぶる。
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