エジプト、カイロ
豊穣を司るバテスト女神は、太陽神ラーの娘で頭が猫。神格化されるほどエジプトでは、猫が大事にされてきたという歴史があり、現在でも多くの猫を街中で見ることができる。
カイロのダウンタウンでは、ほとんどの路地裏に猫がいる。ハンハリーリという市場にも多くの猫が歩き回っている。そして、宿にも十数匹の猫がいる。
今日も猫たちは、食事の匂いに釣られてやってくる。暑いカイロでは、部屋のドアを開けっ放しで過ごすことが多い。
ドアの前でじっと待つ猫達。そのまなざしは「私にはかわいい乳飲み子が三匹いるのです。」と語りかけているようだ。
そのまなざしに負けて、アエーシというパンをひとかけら猫達に投げる。アエーシに飛びつくが食べようとしない。
次は、アエーシにレンティルスープを少しつけて投げてみる。今度はがっつくように食べる。なかなかグルメらしい。
猫たちは、ある一匹がアエーシを目の前に確保すると、他の猫たちはそのアエーシを奪おうとはしない。猫たちには猫たちなりのアエーシの所有権が、そこには発生しているようだ。
ひと通り満足した猫たちの中で、一匹だけまだ満足していない猫がいる。例の乳飲み子がいる猫だ。美味しいお乳を子猫たちに飲ませたいのだろう。その瞳に見つめられては仕方がない。虎の子のチキンを投げると、今まで以上の勢いでがっつきながら、あっという間に食べ終わった。
食事がひと段落した昼下がり、部屋の目の前に残った数匹の猫を見ると、両前足を真っ直ぐに伸ばしてスフィンクスと同じ格好をしている。
もしかしてスフィンクスって猫がモデルでは?そう思う暑いカイロの午後だった。
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